オウム返し/繰り返し④


前回の続きです。

CL「家族に心配をかけたくないから早く就職決めたいんです。」
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<事例2>CC「家族に心配をかけたくない…」
<事例3>CC「早く就職決めたい…」

焦点を当てるポイントを見極めるコツ。

前回の復習になりますが、より「感情」「考え」に近いところ。
行動や事実などと一緒の場合は、 より「動機」「要因」に近いところ。



<事例2>
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CL「ええ。これ以上家族に心配をかけたくないんです…」
CC「そうですか…CLさんはとてもご家族のことを考えていらっしゃるのですね。」

なぜ「早く決めたいのか」。その要因、その動機となる「家族に心配をかけたくない」に焦点を当てたことで、家族に対する思い、これまでのストーリーが見えてきました。

これを脇に置いて「早く就職を決める」ことを目標にしたら、「家族がさらに心配する」ことになった、では、CLが望む未来は遠のいてしまいます。



<事例3>
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CL「そうなんですよ。早く決めたいのに…焦るばかりで」
CC「そうですか…CLさんは焦っていらっしゃるのですね。」


「早く決めたい」という想いに焦点を当てたことで、「焦る」という感情を引き出し明確化することができました。<事例1>のイラショナルビリーフを強化することは回避できました。

スキルの獲得について


傾聴、繰り返し、質問技法、積極的関り技法…
様々な技法、スキル、理論、アプローチがあります。
様々に議論が展開され、現代にあった手法が明確に打ち出されつつあります。

それらをインプットし、理解し、負に落としたいという向学心は、キャリコンにとって必要な要件の一つです。



しかし「それだけ」では諸刃の剣。



キャリコンは、相談者との相談過程、相談者の状態に合わせて、都度適切な武器を選ぶ必要があります。「これさえやれば」という万能スキルはない、と思ってください。


「万能」なのは、キャリコン自身。
そう!!あなた自身です!!



スキルはただの武器。
一生続く人生の過程で、まずは扱いやすい武器から手に入れていきましょう。


「繰り返し技法」はとてもシンプル。かつ、とても重要な技法です。
まずは周りの方との日常の会話から取り入れてみてください。

そして、「繰り返した後」、相手がどう返してくるか、対話がどう展開するか、確認してみてくださいね!


コミュニケーション上手な方は自然とできていることもありますが、慣れないうちは意識しないとできません!



そして、やってみて、気づいてください。



「何でも繰り返せばいいってもんじゃないな”(-“”-)”」と。


次回は、「こんな言葉は繰り返さない!」をテーマに。
皆さんも考えてみてくださいね!